Ubuntu 22.04 のセッションを X.org から Wayland に移行した

Dec 11, 2022

重い腰を上げて、メインマシン (ThinkPad X1 Carbon) の Ubuntu 22.04 を Wayland セッションに移行した。

移行に伴い、主に xremap と Ulauncher の対応が必要だった。

xremap の対応

まず、xremap の README の手順に従い、GNOME Wayland 版をインストールした。 GNOME Shell extension は、ブラウザ拡張ではなく、Extension Manager で有効化した。 （おそらく、GNOME Shell の不具合 が原因でインストールが不安定だったため）

しばらく使ってみたところ、以下の問題が見つかった。

• Gnome Terminal の設定が適用されていない
• Files (Nautilus) や Gnome Terminal で一部の設定が動作しない

Gnome Terminal への設定が適用されていない

Gnome Terminal の WM_CLASS が X11 と異なるため。再度 Gnome Terminal の WM_CLASS を取得して変更した。

   name: Terminal
     application:
-      only: Gnome-terminal
+      only: gnome-terminal-server
     remap:
       M-t: C-Shift-t
       M-n: C-Shift-n

WM_CLASS は、xremap の README に記載されているコマンドで取得できる。

busctl --user call org.gnome.Shell /com/k0kubun/Xremap com.k0kubun.Xremap WMClass

ただし、このコマンドは 実行時にフォーカスがあるウィンドウのクラス名を返す ため、次のように sleep を挟んでコマンドを遅延実行することで取得した。

sleep 3 && busctl --user call org.gnome.Shell /com/k0kubun/Xremap com.k0kubun.Xremap WMClass

Files (Nautilus) や Gnome Terminal で一部動作しない

おそらく https://github.com/k0kubun/xremap/issues/179 によるもの。追加されたワークアラウンドの keypress_delay_ms の設定を追加して対応した。

+# Workaround for https://github.com/k0kubun/xremap/issues/179
+keypress_delay_ms: 20
+
 modmap:

動作しなかったのは、例えば以下のような設定。

  - name: Nautilus
    application:
      only: Org.gnome.Nautilus
    remap:
      M-t: C-t
      M-w: C-w
      M-f: C-f

Ulauncher の対応

Ctrl+Space に割り当てた Ulauncher が動作しなかった。

https://github.com/Ulauncher/Ulauncher/wiki/Hotkey-In-Wayland Ulauncher in Wayland does not receive hotkey events when triggered from some windows (like terminal or OS Settings).

上記記事の通り、Wayland で利用するには設定が必要とのこと。

記事の手順によって引き続き使うこともできるが、Ulauncher をやめ、GNOME の Activities を Ctrl+Space に割り当てて使ってみることにした。 しっくりこなければ、Ulauncher か別の選択肢を検討することにする。